米市場が証明した未公開株投資の大リターン

 中国株というと日本人にはB株と香港株だけが紹介されるが、じつは投資妙味ということではなんといってもいちばんは未公開企業の株式を購入する未公開株投資が挙げられます。

 未公開株投資というのは、すでに多くの方がご承知のように、"大化け(株価が高騰し大きな利益をもたらすこと)と紙屑(会社が倒産し株券の価値がゼロになること)"の呉越同舟ハイリスク・ハイリターンの典型的投資です。

 ベンチャー投資の先輩国である米国では、この10年余の景気は、投資家がベンチャー企業、つまり未公開企業に積極的に投資したのがきっかけであり、その後しばらくの間景気を牽引したのも、未公開企業投資の成果だといわれています。換言すれば、その間、未公開企業に投資した投資家は大きなリターンを得ていたということです。

 株式投資はもともとリスクがつきものですが、とくに未公開株投資は経営が未熟の段階で投資することが多いために、事業計画に狂いが生じたり、時代の変化の荒波に抗しきれなかったりで、予定通りに公開ができない、公開しても株価が低い、最悪、倒産の事態に追い込まれる――など、厳しい事態に直面することがります。

 米国でも事情はまったく同じだが、それでも未公開株投資が続いたのは、1社、2社と投資して成果がなくても、3番目の1社の上場成功だけで、それまでの全投資額を大きく上回るリターンを獲得、ということが少なからずあったからです。アーリーステージといわれる企業草創期の投資では株式公開で30倍、40倍のキャピタルゲインを手にする例も珍しくなかったといいます。

 ある実績を誇るベンチャーキャピタル(VC)は個人投資家の資金を集めるにあたって、成功(株式公開)報酬として利益の35%をいただくと約束。それでも景気好調時には投資家が群がったそうです。VCの投資の眼力が鋭く、投資家側としては35%も抜かれながら、それでも満足いくほどに甘味の果実を採り続けていたということなのです。



“21世紀型競争”に勝ち抜くには

 日本にも未公開株投資のブームは何回か押し寄せ、最近では東証にマザーズ(新興企業向け株式市場)、大証にナスダックジャパン(同)が登場した前後に見られたが、上場新興企業の不祥事や長引くどん底景気でこのところは再び静寂のなかにあります。

 最近は有望未公開株の投資情報は一般に流れることは少なく、情報取得に恵まれた人たちの間のみで、知る人ぞ知る、といったレベルの情報となっています。未公開株投資ほど大化けチャンスが楽しめる投資はない、公開株の投資の比ではないといわれながら、個人投資家の世界では、それを享受できるのはそうした専門情報を受けられる一部の人に限られているのが、このところの状況なのです。

 ただし、そのような状況だからこそ、いまほど未公開株投資の好機はない、ともいえるでしょう。個人投資家向けの情報さえ入手できれば、ひところよりも数分の1という金額で投資できますし、日本が世界の"21世紀型競争"に勝ち抜くには先進技術と新企業の育成が社会的急務であり、産官学と1400兆円の個人金融資産の応援も得て、ベンチャー企業が遠からず次々と市場に登場(株式公開)するのは必然、そのために未公開株投資の最大のリスクである上場失敗の割合も小さくなる、からです。



*ベンチャー企業育成の夢

1)既存の上場銘柄では味わえない"大化け期待"ハイリターン
 東証1部、2部でも店頭でも既存の銘柄で、2倍の利益(100%の値上がり率)は稀。たとえば、1000円の株価でストップ高が5〜6回続けて出たような状態で、やっと100%の値上がり率。その点、未公開株は値上がり率でいうなら、300%,400%は当たり前、なかには1000%、2000%となる大化け期待ができるのです。

2)ベンチャー企業の育成という夢
 米国のベンチャーキャピタリストやエンジェルのなかには、起業(スタートアップ)からアーリーステージまで参画して、別のキャピタリストやエンジェルに バトンタッチ。次々に起業を重ね軌道に乗せていくことを重視しています。受け継いだ人もまた次のステップでバトンタッチ。こうして、ナスダックには多くの企業がデビューし、一流の企業へと成長できる環境が整っています。日本の新規公開市場にも、優良ベンチャーが日々の資金繰りにあくせくすることなく、本業に精進できる環境を作り、一成長企業の育成に貢献できることは、エンジェルとして、投資家としてこの上ない楽しみの一つ、といえます。




* 未公開株投資のリスク

1)未公開企業は未成長企業
 スタートしたばかりの企業では、とくに、技術的な特異性は評価されても、経営面、営業面までは未整理というケースがほとんど。魅力ある技術のビジネスプランだけで公開できた時代は終わり、営業利益が多少とも黒字で将来確実に増加するかどうかが、投資基準の大きなポイントを占めます。ベンチャー企業の成長のためには、経営コンサルト、公開支援コンサルトが不可欠なのです。

2)ベンチャー起業家の資質によるところが大きい
 「企業は人なり」です。社長をはじめ、経営陣、従業員の士気が信頼の置けるものかどうか。これは、上場企業の株式投資にもいえることですが、せっかくファイナンス(投資)したものが乱脈経営の一部に消えた、というのでは困ってしまいます。

3)譲渡制限(売買の制限)があるため、流通性がない
 既存市場の公開株式なら、売買は理論的には1日で何回でもできますが、未公開株は、公開されるまで、原則として、取締役会の承認がなければ売買(譲渡)はできません。
 投資して2、3年はクローズされるため、余裕のない資金は絶対に投入しないでください。

4)投資先ベンチャーの倒産もある
 ある米国のキャピタリストは、「投資先10社のうち2社が公開、4社が何らかの方針転換を強いられ、残り4社がリビングデッド(瀕死状態)」といいます。それでも、分散投資しているため、十分にキャピタルゲインは得られるからです。個人投資家はできるだけ分散投資とのために投資額の設定に努め、リスクの軽減するようにしたい。




BACK