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 一、日本のベンチャー市場

 日本には、東証、大証、名証など全国に8取引所と東証に新設されたマザーズ、(株)ジャスダックが運営しているジャスダック市場があります。これらの市場に上場・公開している企業は3500社ほどあり、約120万社におよぶ日本の株式会社の0・3%に過ぎません。
 長い間、好業績の裏づけのある成熟型の企業しか株式を公開することはできず、株式公開は企業にとっては成功=ゴールとして捉えられてきました。しかし成長過程にあるベンチャー企業は株式公開の基準を満たすことができず、投資家から資金調達が可能な公募増資ができなかった状態が長く続きました。

 日本経済の長期にわたる低迷から抜け出すための産業活性化策として、新興企業を育成して産業の新陳代謝を加速させることが期待されています。21世紀の日本経済の成長はベンチャー企業の成長にかかっており、その成長を加速させるための適切な公開市場が期待されているのです。

(一)ジャスダック

 83年に店頭市場が創設されましたが、取引所に非上場の株式が店頭で売買され、証券取引所の補完的な役割を果たしていました。
 取引所の上場基準に満たない企業が公開できる市場として、若いベンチャー企業にとって成功の指標となり、90年、店頭登録銘柄が300社達成、翌91年にはジャスダックシステムが稼動しました。
 同市場に新規公開する企業は公開時に公募増資を行い、その後の株式上昇により時価発行増資や転換社債の発行などで資金を調達し、事業の成長資金に充ててきました。
 日本の店頭市場は、(1)実質的には経常利益が2億円〜3億円程度まで成長しないと、証券会社は主幹事を引き受けない、(2)新規公開する企業は平均創業年数が14年位の長期間である、(3)これから成長しようとする創業期の企業にとっては利用しにくい市場である、などの問題点も多かったのです。

 95年、創業期のベンチャー企業も公開しやすいとの鳴り物入りで開設されたのが店頭特則市場(第2店頭市場)であり、研究開発型の企業であれば赤字でも公開できました。
 その後、さらに公開基準を引き下げた二号基準が設置された。グッドウイルが公開第一号であるが、主幹事証券会社は黒字になったことをほぼ確認して公開引受を行っており、本当に赤字の会社を公開させたわけではないところに限界がみられます。

 98年、日本店頭証券(株)が(株)ジャスダック・サービスに改組。翌年にはJASDAQ-BLOOMBERG INDEXの公表を開始し、「市場改革の行動計画」の発表や公表開始特徴のある未公開企業を公開できる仕組みを設けるため、登録基準を追加するなど時代のニーズに沿った市場へと変貌してきました。
 01年、(株)ジャスダック・サービスが、日本証券業協会から店頭市場の運営業務を委託され、(株)ジャスダックに改組、新ジャスダックシステムの導入が実施されました。
 従来、JASDAQ市場は、取引所市場の補完的市場と位置付けられていましが、平成10年12月の証券取引法の改正により、取引所有価証券市場と並立し、競合的関係にあるとされ、売買高はすでに東京証券取引所の市場第二部を凌駕するまでに成長しています。

(二)マザーズ

 平成11年11月11日に東京証券取引所に新市場マザーズが発足しました。「Market Of The High-guowth and Emerging Stocks」の略であり、新興急成長株式市場という意味。名前の通り母のように温かい気持ちで、ベンチャー企業に成長資金を供給するという思想で開設された市場です。

 上場対象企業としては、「今後の成長性が期待される分野」又は「新たな技術・着想に基づく事業」を主要な事業にすることにより、高い成長可能性を有していると認められる企業です。ただし、既に成熟した産業に属する企業でも、新規性のある技術やノウハウを持ち、成長の可能性が認められる企業は上場することができます。

 既存市場に上場する場合に適用される基準における「株式会社としての設立経過年数基準」及び「利益などの財務数値」は設けていません。よって、株式会社として設立されて間もない会社、未だ利益を計上していない会社であっても上場することが可能です。つまり、経営基盤は脆弱な企業でも成長性があれば株式を公開できるということです。

 上場審査で最も重要視されるのは事業の成長性です。主とする事業が今後の成長性があると期待されたり、独創的な技術をもっているかが認められるかどうかが肝心なのです。会社の事業計画や将来見通しに重点をおいた投資判断となります。そのため、マザーズにおいては、投資家がたびたび事業計画が予定通り進捗しているかをチェックできるよう、市場第一部及び第二部の上場会社に求めている法定開示及びタイムリーディスクロージャーに加えて、四半期(第一及び第三四半期)の業績の開示を会社に義務づけています。加えて、年二回の会社説明会の開催も求められています



 二、米国ナスダック市場

(一)ナスダック成立過程

 ナスダック(National Association of Dealers Automated Quotation)、とは全米証券業協会の自動株価表示システムのことを指します。71年2月8日、世界で初めて完全にコンピューター化された株式売買の基礎システムとして設立され、取引所などの器は無いものの、500以上のマーケットメーカーと連動しています。
 ナスダックの方式は通貨や債券市場と同じで、コンピューターシステムを介して、世界各地の投資家を繋ぎ、あらゆる地点で同時刻に買値と売値の情報がディスプレー上に表示され、ネットトレードが出来るようになっている。ディスプレイに表示される企業名(銘柄名)の裏ではさまざまなサービスが展開されており、ブローカーは刻々と変わる株価を注視する一方、マーケットメーカーは顧客の注文や競争相手のマーケットメーカーの動向をもとに株価を変更、一番良い株価を提示したマーケットメーカーが注文を取る仕組みになっています。
 ナスダックは、単一取引所のニューヨーク証券取引所や、その他の市場とは異なり、マーケットメーカー制を採用、上場企業に対して平均して11のマーケットメーカーがつき、『マイクロソフト』などは、70のマーケットメーカーおり、流通性が非常に高いことが特徴です。また、1つのマーケットメーカーで約75社の上場企業を管理しています。
 ナスダックと米国証券取引所(AMEX、American Stock Exchanges)は98年10月30日に合併し、NASDAQ−AMEXグループを結成。米国証券取引所のオプション取引は残し、フィラデルフィア取引所の先物取引を買収し、世界で唯一の各種交易市場へと変貌しました。

(二)ナスダック証券取引システムを支えるハード
 ニューヨーク市場にある55インチスクリーンと10インチの個別高解像度ディスプレーにナスダックのニュースおよび世界各市場の主要指標、各上場企業のデータが表示されています。
 市場が有する中央処理システムは、日々の売買にして10億株以上の処理が可能な大型コンピューターからなり、00年の売買高は1日当たり80億株に達し、世界60カ所の国と地域で40万台の端末機が設置されています。

(三)ナスダックの仕組み
 ナスダックは、2つの独立した市場から成り立っており、1つはNasdaq National Marketで、世界でも最大規模の著名企業を含む、3832社が上場。もう1つはNasdaq SmallCap Marketで、上場企業の財務および経営状況に対する基準は低く、1200社が上場しています。

(四)ナスダックの指数
 ナスダック総合指数:4894社の株価により成り立っており、71年2月8日の100・29ポイントをベースに、現在は約21倍にまで拡大しています。
 ナスダックのセクター別指数:銀行、バイオテクノロジー、コンピューター、金融、工業、保険、通信、交通の8業種の業界指数。
 ナスダック―100指数:Nasdaq National Marketに上場の非金融大型企業100社からなり、85年1月31日の250ポイントをベースにしています。

(五)ナスダックの市場概況(至1999年)
上場企業数 :4894社
1999年時価総額 :3・2兆米j
総出来高 :1229億株
1日平均出来高 :9・915億株
非米国企業数 :420社
1日の過去最大出来高 :99年4月14日 14億1648万84株


米国証券取引所(AMEX)(至1999年)
上記以外の上場企業数 :741社
1999年時価総額 :1301億米j
総出来高 :40億株
1日平均出来高 :0・325億株
非米国企業数 :67社
1日の過去最大出来高 :99年4月19日 6880株



 三、ユーロネクスト・パリ・ヌーボーマルシエ

 フランスのパリ株式市場はイギリスのロンドン市場に続く欧州第2の株式市場です。同市場はいくつかの異なる市場により構成されており、1つは"ユーロネクスト・パリ・ヌーボーマルシエ"と呼ばれ、他の国の2部市場に相当。96年3月に、中小ハイテク企業および高成長企業を対象として創設された、パリ市場で最も新しい市場です。
 一般的に、メインボードの上場資格は古くなっており、上場にあたり企業は一定以上の規模を必要とされるため、ハイテク企業や、高成長中小企業は、発展の潜在能力は高いものの、実績が少ないことなどから上場が難しく、資金調達のルートが限定されていました。“ヌーボーマルシエ”はこれら中小ベンチャー企業に新しい資金調達ルートを与え、活性化するために設立されたのです。

 新市場の目標としている企業は、以下の5種類です。:
 (1)すでに融資計画のあるベンチャー企業
 (2)改新的なハイテク企業
 (3)高い潜在能力を持つ私企業
 (4)創立者が資本を持ち、合弁や企業パートナーを求めている企業
 (5)意欲的に新たな成長ステージに立とうとする発展中の企業
 上場基準のハードルもメインボードに比べ次のように低く設定されています。

 (1)150万ユーロの自己資金を持つこと
 (2)500万ユーロ以上の公共融資金額を獲得した経験がある
 (3)マーケットでの流通株数が10万株以上であること
 (4)融資金額の50%以上を企業増資とする
 (5)一般株主の持ち株が資本総額の20%を下回らないこと
 (6)取締役の持ち株の80%は上場後一年間売却不可とする

 企業は上場申請時、輸出およびビジネスの開拓、生産能力の向上、研究開発投資、経営の多様化などについての明確な事業計画を提出するほか、上場後も定期報告として、決算や年次報告、半期業績報告、四半期営業額および"ヌーボーマルシエ"のWEBサイトで法定情報、ニュース告知が義務付けられています。
 同市場は、フランス企業のみならず、外資企業であっても上場基準さえ満たしていれば上場が可能である。このような国際性が活力と積極性を生み出し、同市場を成功させました。
 96年3月20日、市場の正式スタート時の上場企業数は17社、調達資金額は2・36億ユーロでしたが、00年4月30日には、上場企業数が123社に達し(うち7社が外資系企業)、累計調達金額は22・65億ユーロとなっています。上場企業の内訳は、57社が情報テクノロジー企業、7社がバイオテクノロジー分野、23社が新工業部門、その他の36社が商業およびサービス業となっています。
 過去数年間、これらの企業は投資家に受け入れられ、各企業の時価総額は倍増、情報テクノロジー企業の一部は大きな成果を上げました。上場当時は52億ユーロであった情報テクノロジー企業57社の時価総額は、00年4月末にはすでに3・35倍の174億ユーロに達し、他業界の時価総額もすべて上場時の倍以上に増加しています。
 "ヌーボーマルシエ"の活気は、ベンチャー企業に対する投資家の信頼が高いことを示しています。指数は基準となった96年3月20日の1000ポイントから、4年間で350%以上の4500ポイントまで上昇しました。
 その後同市場は、96年3月に設立した"欧州ニューマーケット"に吸収されました。欧州ニューマーケットは、パリのほか、ドイツのフランクフルト、オランダのアムステルダム、ベルギーのブリュッセル、イタリアのミラノの"新市場"を結ぶ広範囲の株式市場ネットワークで、すでに欧州屈指のベンチャー市場として位置づけられていいます。スイスのチューリッヒ、スウェーデンのストックホルム、デンマークのコペンハーゲンの3市場も、すでに同ネットワークへの加入を表明。この他、イギリスのロンドン、フィンランドのヘルシンキ、ノルウェーのオスロ市場は、欧州新市場のオブザーバーとして発展計画に参加しています。




 四、クアラルンプール第二市場

 マレーシアのクアラルンプール第二市場は、98年11月の設立以来、急速に発展し、00年の上場企業数は287社、時価総額は390億リンギット(3・8リンギット=1米j)に達しています。
 第二市場の設立は、マレーシア市場の拡大と理解を深めるとともに、市場の集金力と流動性向上を目的とし、投資家により多くのマレーシア企業への投資チャンスを与えるものです。
 第二市場の規約の遵守と公正確保のために、マレーシア証券委員会は上場の指針を制定。IPO企業に多方面にわたる資料を要求することで、上場のハードルを設け、同時に投資家へ提供するに足りるだけの情報を確保しています。十分な情報開示が行なわれていれば、どの企業も上場できるわけです。
 具体的な上場基準は以下の通りです。

(一)持ち株比率
 証券委員会は、上場申請企業に具体的な資本金額などの一定の基準を要求します。上場を希望する企業は、普通株(1株=1リンギット)で4000万リンギット以上の株主資本を保有する必要があり、優先株や特別株、転換社債がある場合、上場前に株式に転換するか、換金しなければなりません。
 資本金、株主数、持ち株比率は以下のように明確に規定されています。資本金が4000万から6000万リンギットの場合、1000株以上保有の一般株主数が750人以上であること、資本金が1億リンギット以上の場合、一般株主数が1000人以上であること、資本金が1億リンギット以上の場合、株主数が1250人以上です。さらに一般株主は上場企業およびその子会社、親会社の社員であってもよいが、その場合500人以上は社外の株主を確保する必要があります。
 また、株主資本の25%は一般株主が保有する必要があり、うち5%は社員持ち株として、同10%は、地元投資家の持ち株とすることでこの条件を満たします。
 上場企業および子会社の取締役持ち株比率は5%以上、ただし、家族やその関係者、および財産を管理する者は、少数株主に含みません。

(二)利益要求
 業務経営と企業利益について以下の要求を満たす必要があります。グループ企業の場合と単体の企業では、若干の相違はありますが、同一業務、関連業務について最低5年の財務内容を提出を求めます。利益に対する具体的な要求は:過去3年間の財政年度における利益記録、過去3年の累計税引き後利益が、12万リンギット以上、かつ直近の税引き後利益が400万リンギット以上。証券委員会は、監査した結果のみ受け入れられます。
 さらに、証券会社は上場申請企業が将来の資本拡張要求に見合うだけの財務状況を維持するように求め、上場取り消しの際は、申請企業の取締役や管理する組織の債務を明らかにし、保有する1株当たりの有形資産が額面価格を下回ってはいけないと要求しています。

(三)業務体質要素
 さらに、上場に適正かどうか以下の企業体質も審査対象となります。
 (1)経営状態:品質管理、販売ルートの多様化、エンジニアの習熟、人員調整、技術の優位性、営業と生産過程への有益性、研究および開発能力
 (2)競争力:高い製品品質とサービス、市場の確定および販促活動、効果的な営業ルート、市場シェア、競争力のある価格と不況時の耐久力。
 その他の業務体質は、(1)業務の独立性:企業の全面的な業務運営や独立した業務の展開(2)管理の継続性:上場時と同一の経営陣による3年以上の経営継続、もし前述の要求が満たされなければ、上場企業の責任者は証券取引委員会に対して、企業の専門技術と管理能力が確保されていることを報告する義務があります。(3)利益の衝突:企業における取締役と創始者間などの利益争いの有無の確認なども審査の対象となります。




 五、ロンドン証券取引所AIM市場

 ロンドン証券取引所は国内外からの巨額な資本を受け入れることにより、世界経済のグローバル化に大きな役割を担い、投資家の流れが加速するなか、同市場は重要な位置を占めています。

(一)中小企業のために融資サービスを提供
 300年の歴史を持つロンドン証券取引所は、上場企業数が世界最大規模の証券市場です。現在、60の国、地域から大型企業500社余りがこの巨大な資本市場に上場していますが、同取引所はさらなる市場拡大を目指し、多くの国で国民経済の中枢を担っている中小企業に着目しました。95年6月、米ナスダックに続き、ロンドン証券市場に欧州初の2部市場(Alternative Investment Market略称AIM)が設立されました。2000年時点での上場企業数は570社にのぼりその資金調達額は50億ポンド(75・8億米j)に達しました。(うち72社は業績規模の大きいメインボードに上場)。現在、AIM市場の時価総額は開業時の150倍にあたる141億米j。上場企業の業種は30種(開業時7種)に増加し、うちハイテク企業47社の時価総額は26億ポンドで市場の主導的地位を占めています。
 AIM市場は、小型ベンチャー企業向に資金調達の機会を提供する金融市場で、ハイテク企業以外に伝統的製造業やサービス業なども上場が可能で、企業の資金力、企業規模、経営歴史、企業業績や所有株式の比率など、上場にあたり特別な基準は設けられていません。

(二)市場の運営と監督管理
 しかし上場企業にタイムリーに必要な資金を供給し、厳しい市場のなかで企業の評価やイメージを高めるために、証券業務に通じた顧問を選定することを条件としています。顧問によるアシストにより、上場への手順と企業に対するAIM市場の要求について指導し、手続きなどを行っていくわけです。
 顧問は、まずAIM市場に上場するにふさわしいかその企業をチェックする。これにパスすると市場の規定に沿って、上場企業取締役会の成員に対して上場に当たっての責任と義務に関する指導を行う。また、顧問と同様に企業は証券売買の仲買人(ロンドン証券取引所の成員)を選出しなければなりません。顧問が仲買人を兼任することも可能です。

 顧問と仲買人は市場での企業価値を体現していく鍵となります。彼らの突然の辞職で企業に悪影響を及ぼさないために、取引所では上場企業が顧問や仲買人の辞職の意向やその離職期限などについての規定も明確に定められています。
ベンチャー市場の売買の公正、公平や投資家の利益を保持していくため、95年の英国監督管理当局によって設立された証券関連公職者の法規のほか、AIM市場は独自の取締役会成員の株主に対する規定を制定した(例:当該企業の役員は年度末決算の2カ月前から株式の取引に関与することを禁止。上場企業の主業務の経営が2年に達していない場合、取締役と1%以上の株式を保有する内部者は、上場後1年間売買を禁止。など)。金融関連の専門家はAIM市場の上記の措置について、株式に対する投資家の信用が大幅に増強されるとの見解を示しています。



五、韓国"コスダック"市場

 韓国の科学技術関連市場は1996年7月に設立。米"ナスダック"を摸倣して"コスダック"(KOSDAQ)と名づけられました。

 (一)発展の背景
 "コスダック"市場はハイテク産業の育成と発展を主目的とし、中小ベンチャー企業へ直接融資のサービスを行っています。しかし、当時の韓国ベンチャー企業は多くがアーリーステージにあったため、当市場は注目されず一般市民にも好印象は与えられずにいました。97年末の韓国の金融危機後、金大中政権は企業構造の改革を推し進め、世界経済が知識経済にむかっていたことと、発展規模は小さくとも科学技術に富み、経営力のあるハイリスク・ハイリターンの中小ベンチャー企業をひとつの経済発展の軸に据えていくことを決定。ベンチャー企業と伝統産業が融合した新しい経済発展モデルとしました。
 この変化は、韓国のベンチャー企業に急成長のきっかけをもたらしました。韓国中小企業庁の統計によると、過去2年でベンチャー企業の設立数は6000社を超えているといいます。ベンチャー企業は技術と成長力はあるが資金力に乏しいといわれます。"コスダック"はハイテク企業へのサービス市場として、日進月歩の勢いで市場規模拡大、総合指数の上昇、取引高も過去最高を記録し続けています。

(二)上場条件
 韓国の"コスダック"市場は他市場とは異なる上場規定と条件をもっています。ベンチャー企業は株式の分散比率が20%に達し、監査機関の承認を受ければすぐにも上場が可能です。通常の企業は次の3条件のひとつを満たせば上場が可能です。

@営 業 年 数:3年以上
 株 主 資 本:5億ウォン
 株式分散比率 :20%
 経 常 利 益:プラス
 資本蚕食の比率:ゼロ
 負 債 比 率:業界平均の1・5倍以下
 および監査機関の認可
A資 本 金  :100億ウォン
 資 産 総 額:500億ウォン
 株式分散比率 :20%
 資本蚕食の比率:ゼロ
 負 債 比 率:業界平均以下
 および監査機関の認可
B所 有 資 金:1000億ウォン
 株式分散比率 :20%
 資本蚕食の比率:50%以下
 負 債 比 率:業界平均の400%以下
 および監査機関の認可

 "コスダック"は1998年に政府により制定された「コスダック市場活性化総合方案」を契機に急発展。1999年下半期、その過熱気味といえる人気ぶりに経済専門家達は注意を呼びかけ、"コスダック"の健全な発展と活性化のため、韓国政府は2001年末に、企業の市場への登記、審査、管理、退出、違法取引などに関しての新規定「コスダック市場の健全発展のための政策」を打ち出しました。
 この新規定により、不正取引の減少のため株式の流通比率が下記のように変化しています。
 ・旧規定での上場基準
 一般投資家数     :100名
 一般投資家持ち株数  :200万株
 全株式数に占める割合 : 20%
 ・新規定での上場基準
 一般投資家数     :500名
 一般投資家持ち株数  :500万株
 全株式数に占める割合 : 30%

(三)厳しい審査
 実力の伴わないベンチャー企業の参入を防止するため、ベンチャーキャピタルなど機関投資家が投資している企業が上場するためには最低1年間の投資期間を条件とし、登記審査に必要な監査材料は定期の株主総会で批准されたものでなければなりません。同時に、ベンチャー企業の上場後半年以内は、投資した機関投資家は持ち株の10%以上を保有していなければなりません。証券会社は上場するベンチャー企業の財務情況、営業関連などを審査し、その結果をレポートにしなければなりません。また、第三者への売却などによる利益の獲得を防止するため、大株主と特定の関係者は上場前からロックアップ期間が設けられています。
 登記審査について、韓国では"コスダック"委員会の推薦と証券業協会会議の決定により選出される1名の常務委員制を採用しています。この常務委員は同時に"コスダック"委員会の成員であり、証券業協会より直接の指揮を請け負っています。"コスダック"委員会はその構造調整を実施し、同会員を9名から11名に増加、同時に業界の代表者などを減少させ、代わりに機関投資家、ベンチャー投資専門家、会計士などの専門家を増やしました。また登記審査を行う6名は20名に増加されました。
 管理と退出について、"コスダック"で注意が必要な項目は"投資注意項目"と"管理項目"に分けられます。赤字、経営権譲渡、合併、資本が蚕食されている状態の企業、また営業停止処分、法廷監察を受けた企業などは"管理項目"に属します。"投資注意項目"は上記の情況以外に、@株式分散か規定比率に達していない場合、A2度の不適当な企業報告を行った場合、B監査役から意見書の提出を拒否された場合、C規定報告書が未提出の場合、などがこれに属します。




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